この記事の所要時間:約 3 分 51 秒
「心理学と哲学の違いは?」
どちらも人の心に関する学問だけれど
具体的にどこが違うのでしょうか?
私は心理学と哲学のどちらも
さまざまな本を読んで勉強してきました。
では心理学と哲学がどのような違いが
あるのかをそれぞれの歴史や概要を
参照し比較していきますので、
参考にしてください。
心理学
心理学の起源はなんと
古代ギリシアの時代にまで
遡ることができます。
近代の心理学は1879年、
ヴェルヘイム・ヴントという
ドイツの心理学者がライプツィヒ大学に
心理学実験室を開いたことから
始まったとされています。
このとき心理学は哲学から独立し
一つの学問として成立したのです。
ここで「哲学から独立した」と
述べましたが、その理由は、
哲学はすべての学問の原点だと
いわれているからです。
続いて、心理学の分野についてです。
心理学は大きく分けて
「基礎心理学」と「応用心理学」があります。
その中に認知心理学や学習心理学、
社会心理学、臨床心理学、犯罪心理学など
さまざまな分野に分かれていきます。
では心理学とは何か?というと、
人の『心』と『行動』を扱います。
心理学は人間の心理を
科学的な手法を用いて研究し
探求していく学問ということです。
哲学
◎哲学の歴史
哲学の歴史はとても古く、
紀元前7世紀から紀元前5世の
古代ギリシア哲学が始まりと
言われています。
今から約2500年も前から始まって
後にソフィスト時代に移り
中世、近代、現代となっています。
先ほど心理学は哲学から独立した学問と
述べましたが、その理由は、
哲学とは学問の根源と
いわれているからです。
実はほかの学問も同じように
哲学から独立した学問なのです。
哲学は事柄に対しての
疑問を解くための「考え方」を
見出すことです。
心理学科と哲学科の大学と進路について
心理学科
大学では認定心理士の資格が
取得できます。
その後大学院に進み、公認心理師や
臨床心理士の資格を取得すると、
カウンセラーとして働けます。
スクールカウンセラーも
この資格が必要です。
その他にも司法機関などで
勤めることもできます。
大学の心理学部のみでは
公認心理師と臨床心理士の資格は
取得できないので、
大学を卒業して就職する場合は
一般企業に就職することが多いです。
哲学科
大学で哲学を学ぶとなると
倫理学や宗教学などを学びます。
倫理学は道徳心や規範などについて
宗教学は世界のさまざまな
宗教について学んでいきます。
進路は中学校教員や高等学校教員、
学芸員など資格を取得できます。
大学院に進学をして専門研究を続けて
教育者や研究者の道に進む場合があります。
心理学と同様に
直接的にあまり関わりのない
一般企業などに就職する場合もあります。
ただ、心理学よりも
哲学を専門とした職業は
少ないかと思います。
【画像②】
心理学と哲学の違いとは?
ここまで心理学と哲学の歴史と概要
学問の内容をお話しました。
心理学は人のしくみ、性質を
科学的手法で研究していきます。
そして人間の心や行動を探求する学問です。
心理学の研究には実験があります。
その実験では、
実験のテーマに定められた条件の
人の性質が見えてきます。
対して、哲学は、実験で検証などは
行いません。
人の考え方、思索を
探求していく学問です。
世界観や価値観、人生観などは
個人個人で相違する点があり、
その人の考え方いうのが
誰しもあるはずです。
世界観や価値観。
人生観は考える人によってはもちろん
その時代によっても変わってきます。
哲学という学問が根源にあるからこそ
人は人について考えることをして
社会の倫理や道徳が問われます。
心理学に限らず、
他の派生した学問によって
「人」というのが解明されています。
心理学も哲学も人や心を
テーマとしているので、
違いが明確にわかりにくいです。
しかし、こうして比較してみると
さまざまな違いが見えてきたと思います。
どちらの学問も人の心について
探求することのできる、
とても楽しく面白い学問です。
心理学と哲学は、人の心について
学びたいことや進路先が
まったく異なっている学問です。
こちらを読んで
「心理学と哲学の違い」について
参考にしていただければと思います。